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あすなろ法律コラム2018年3月30日

はじめに

2018年6月に民泊新法が施行される予定となっています。

正式名称は「住宅宿泊事業法」です。この法律の施行によって、どのような営業が可能となったのでしょうか。

また、営業や申請にあたってはどのようなことに注意すべきなのでしょうか。

民泊新法施行の影響

民泊新法が施行されることによる一番の影響は、全国の「住宅」で民泊が営業できるようになるということです。

 

ここでいう「住宅」とは、台所やバスルーム、トイレ、洗面所など生活に必要な設備が整っていて、かつ人が住んでいるか、入居者募集中である家を指します。

 

対象となる住宅の例は、休日だけ使っているセカンドハウス・別荘や、仕事の都合で一時的に空けている持ち家などです。

民泊に使用する目的で投資用新築マンションを買っても、所有者が一度も住んでいないなら民泊新法の「住宅」には当たらないので注意が必要です。

これまでは、民泊に関する条例が制定された国家戦略特区(東京都大田区や大阪市など)でしか、住宅を民泊として貸し出すことはできませんでした。

この民泊新法の施行によって、新たに全国の住宅で民泊を営業できるようになるのです。

3つの事業形態とそれぞれの注意点

民泊新法では、民泊に関する事業を3種類に分けて、それぞれの申請方法や業務について規定しています。

 

その3種類の事業は以下の①〜③です。

 住宅宿泊事業

いわゆる民泊の営業です。ホテルや旅館などを営業していない人が、宿泊料をもらって他人を住宅に宿泊させることを指します(住宅宿泊事業法23項)。

 

  住宅宿泊管理業

住宅宿泊事業者の代わりに、民泊に使用する住宅の管理・清掃などを行うことです(同26項)。住宅宿泊管理業に当たるのは、報酬をもらって管理を行う場合のみで、無償で管理する場合はこれに当たりません。

 

  住宅宿泊仲介業

住宅宿泊事業者と宿泊希望者とを仲介することです(同28項各号)。

申請方法について

「どういった申請が必要?」

住宅宿泊事業を行うためには都道府県知事への「届出」が必要です(住宅宿泊事業法31項)

「届出」とは、申請書に必要事項をきちんと記入し、添付書類を全て揃えて申請先に提出すれば、それだけでOKという比較的簡単な手続です。

 

住宅宿泊事業の申請には特別な審査がなく、届出さえすればよいため、営業を開始しやすい制度になっているといえます。

 

一方で、住宅宿泊管理業を始めるには国土交通大臣による住宅宿泊管理業者登記簿への、住宅宿泊仲介業を始めるには観光庁長官による住宅宿泊仲介業者登記簿への、「登録」がそれぞれ必要です(同221項、同461項)。

 

「登録」は、届出よりも少しだけ厳しい手続で、申請者が申請書を提出するだけでは足りず、申請後に公的機関によって登録簿に記載されることで初めて適法に営業ができるようになるという手続です。

これは上の「届出」よりも少し厳しい手続になっているといえます。

とはいえ、登録の場合は原則として、申請すれば登録簿に記載されることになっています。

記載が拒否されるのは、申請書に重大な虚偽の記載があるときや重要事項の記載漏れがある場合、申請者が成年被後見人や被保佐人である場合、暴力団員である場合など、特別な場合に限られているのです。

そのため、住宅宿泊管理業と住宅宿泊仲介業についても、申請のハードルは高くないといえるでしょう。

ただし、これらの住宅宿泊管理業・住宅宿泊仲介業の登録の際にはそれぞれ1件につき9万円の登録免許税がかかるので(住宅宿泊事業法附則6条)、いざ登録となったときに慌てないように用意しておきましょう。

ちなみに、住宅宿泊事業の届出をする際にわざとウソの情報を記載した場合は、6ヶ月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課されてしまいますので、全ての項目について正直に記載するようにしてください(住宅宿泊事業法731号)。

また、登録無しに住宅宿泊管理業を営んだ場合や、不正の手段によって住宅宿泊管理業・住宅宿泊仲介業の登録を受けた場合には1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課されます(同721号、同2号)。

 

  申請の方法

これらの申請は、観光庁の民泊制度運営システム(オンライン)を通じて行うことになります。

申請受付は、民泊新法施行の3ヶ月前、2018315日に開始される予定です。

 

上の3つのうちのどの事業であっても、申請の際には申請書だけでなく多くの種類の添付書類が必要になります。

申請を考えている方は観光庁のホームページを確認し、できるだけ早く準備にとりかかるようにしましょう。

住宅宿泊事業の業務と注意点

「住宅宿泊事業の業務内容」

民泊新法が定める住宅宿泊事業者の業務は、以下のとおりです。

 

・宿泊者の衛生を確保すること

一人当たり3.3㎡以上の床面積を確保し、定期的な掃除・換気を行います(住宅宿泊事業法5条、厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則)。

 

・ 宿泊者の安全を確保すること

非常灯や誘導灯といった非常用照明器具を設置し、また避難経路をわかりやすいところに表示します(住宅宿泊事業法6条、厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則1条)。

 

・ 外国人観光客へ配慮すること

設備の使い方や交通手段、火災が起きた場合の通報連絡先について外国語表記の案内を設置します(住宅宿泊事業法7条、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則2条各号)。

 

・ 宿泊者名簿の備え付け

宿泊者名簿には、宿泊者の氏名、住所、職業、宿泊日、そして宿泊者が国外在住の外国人の場合はその国籍・旅券番号を記載します。この記録は3年間保存しておかなければなりません(住宅宿泊事業法81項、同施行規則7条各項)。

 

・ 周囲の環境への配慮と苦情対応

宿泊者に対して、騒音・火災防止やゴミ処理などについて配慮すべき事項を説明します。また、苦情や問い合わせがあった場合には迅速適切に対応しなければなりません(住宅宿泊事業法91項、同10条、同施行規則8条各項)。

 

「 住宅宿泊事業を営む場合の注意点」

・営業日数の制限

まず気をつけなければならないのは、民泊の営業日数が制限されているという点です。

民泊の営業日数は年間180日以内と規定されています(住宅宿泊事業法23項)。この日数は、毎年4月1日の正午から翌年4月1日正午までを1年として計算します。

この間に利用者を宿泊させた日数(つまり、寝具を使って施設を利用させた日数)が180日を超えてはならないということです(同22項、住宅宿泊事業法施行規則3条)

営業日数が180日を超えると、旅館業法の規制対象となり、旅館業法の営業許可がなければ同法の罰則の対象となってしまいます。

 

・マンションの規約を確認

マンションなどの集合住宅によっては、規約で民泊としての利用が禁止されているところもあります。

申請書には、マンションの規約で民泊利用が禁止されていないことを記載しなければなりませんので、事前に確認しておきましょう。

マンションの規約に民泊についての定めがない場合もあると思われますが、その場合はマンション管理組合が「部屋を民泊として利用しても良い」と考えていることを証明する書類が必要になります。

そのため、マンションで民泊を営業しようと考えている場合は、できるだけ早く管理組合に相談するようにしてください。

 

・管理を委託しなければならない場合

次に、以下で示す場合には自分で民泊を管理せず、住宅宿泊管理業者に対して民泊に使う住宅の管理を必ず委託しなければなりません。

 

その一定の場合とは、

①住宅宿泊事業者が宿泊者の宿泊中に不在になる場合(日常的な外出を除きます)と、

②住宅宿泊事業者が営業する民泊の部屋数が6つ以上になる場合

です(住宅宿泊事業法111項各号、同施行規則924項)。

これらの場合は住宅宿泊管理業者に管理を委託し、その住宅宿泊管理業者が上で説明した業務を行うことになります。

ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者も兼ねていて、自分で民泊の管理業を行う場合は他の管理業者に委託する必要はありません。

 

・利用者への仲介を委託する場合

利用者への仲介を委託する場合には、住宅宿泊仲介業者か旅行業者のどちらかに委託しなければなりません(住宅宿泊事業法12条)。

これらに当てはまらない者に委託してはならないのです。

そして委託する場合は、委託相手に対して届出番号を通知する必要があります(同施行規則10条)。

 

・標識の表示

民泊の近くの周囲から見やすい場所に、国土交通省・厚生労働省が指定している標識を掲げなければなりません(住宅宿泊事業法13条、同施行規則11条各号)

 

都道府県知事への定期報告

毎年2月、4月、6月、8月、10月、そして12月のそれぞれの15日までにその月の前の2ヶ月について(例:415日までの報告であれば、2月と3月の分)、以下の事項を都道府県知事に報告しなければなりません(住宅宿泊事業法14条、同施行規則12条各項)。

利用者が宿泊した日数・宿泊者の数・延べ宿泊者数・国籍別の宿泊者の数など

上述の管理・仲介の委託についての規定に反した場合は50万円以下の罰金が(同75条)、標識についての規定や定期報告の規定に反した場合は、30万円以下の罰金が(同762号、同3号)課されます。

住宅宿泊管理業の業務と注意点

「業務」

住宅宿泊事業者に代わって、宿泊者の衛生・安全の確保、外国人観光客への配慮、名簿の備え付け、周辺環境への配慮、そして苦情対応を行います。

業務を行う際は、信義に従い、誠実に、専門知識をもって行わなければなりません(住宅宿泊事業法112項、同29条、同36条)。

 

「注意点」

・5年毎の更新

住宅宿泊管理業の登録は、5年毎に更新しなければなりません(住宅宿泊事業法222項)。

更新料は、オンライン申請の場合は19100円、それ以外の場合は19700円です(同5項、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則21項)。

 

・名義貸しの禁止

自分の氏名や名称を他人に貸して、その者に住宅宿泊管理業を営業させることは禁止されています。(住宅宿泊事業法30条)

 

・誇大広告の禁止

住宅宿泊管理業者の責任や報酬額、契約解除について、誤解を招く表現や誇大な表現を使って広告することは禁止されています(同31条、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則12条)。

 

・不当な勧誘などの禁止

住宅宿泊事業者に対して、重要な事項をわざと伝えなかったり、嘘を告げたりすることで契約を結ばせようとしたり、解除させないようにすることは禁止されています。

また、迷惑な時間(一般的には午後9時〜午前8時はこれに該当するでしょう。)に電話・訪問して勧誘すること、断られたのにしつこく勧誘すること、そして人員体制などの理由から適切な管理ができないのにもかかわらず委託契約を締結することも禁止されています(住宅宿泊事業法32条各号、同施行規則13条各号)。

 

・再委託の禁止

委託された管理事業を全てまとめて他者に再委託することは禁止されています(住宅宿泊事業法35条)。

ただし、管理事業の一部を再委託することは可能です。その場合は住宅宿泊事業者と委託契約を締結する際に、再委託についての規定をおいておきましょう。

 

・従業員には必ず証明書を携帯させる

従業員は業務の間、国土交通省令の定める様式の証明書を携帯していなければなりません。

そして、関係者から求めがあった場合は、その証明書を提示する必要があります(同37条各項、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則18条)。

 

・帳簿備え付け

営業所ごとに帳簿を備え付け、管理する届出住宅ごとに契約年月日や住宅宿泊管理業者名、対象となる住宅等を記録・保存しなければなりません(同38条、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則191項各号)。

・標識

営業所ごとに、周りから見やすい場所に国土交通省令で定められた標識を掲げなければなりません(住宅宿泊事業法39条、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則20条)。

 

・定期報告

毎年の事業年度が終わる時と、委託契約の契約期間が終わる時に、以下の事項をまとめて住宅宿泊事業者に対して報告しなければなりません(住宅宿泊事業法40条、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則211項)。

報告の対象となる期間・管理業務の実施状況・住宅の維持保全の状況(キッチン、トイレ、洗面所、バスルームの設備の状況はもちろん、電気・水道といったライフラインの様態についても報告しなければなりません。)・周辺住民からの苦情の発生状況(苦情の内容や発生日時、苦情を届出た人の属性などについて詳しく報告します。)

以上の規定に反して名義貸しを行った場合は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課されてしまいますので(住宅宿泊事業法723号)、「1回だけだから」などと考えて名義貸しを行うことは絶対にやめましょう。

 

また、誇大広告を行った場合(766号)、不当な勧誘などを行った場合(同7号)、帳簿を備え付けなかった場合(同8号)、標識を掲げなかった場合(同2号)、は30万円以下の罰金が課されます。

住宅宿泊仲介業の業務と注意点

「業務」

業務を行う際は、信義に従い、誠実に行わなければなりません(住宅宿泊事業法53条)。

 

注意点」

名義貸しが禁止されていること(同54条)、不当な勧誘などが禁止されていること(同57条)、標識を掲示しなければならないこと(同601項)は住宅宿泊管理業者と同じです。

それ以外の注意点について以下で説明していきます。

 

・5年毎の更新

住宅宿泊仲介業の登録は、5年毎に更新しなければなりません(住宅宿泊事業法462項)。

更新料は、オンライン申請の場合は25700円、それ以外の場合は26500円です(同5項、同施行令22項)。

 

・約款の作成と届出・公示

宿泊者を民泊に仲介する際に適用される住宅宿泊仲介約款を日本語と英語で作成し、これを事前に観光庁長官に届出なければなりません(住宅宿泊事業法551項)。

また、その約款は営業所に掲示するか、インターネット上で公開し続けなければなりません(同4項、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則36条各号)。

 

・料金の公示

業務を始める前に、宿泊者と住宅宿泊事業者から受け取る仲介料をそれぞれ定めなければなりません(住宅宿泊事業法561項)。

また、この料金は営業所に掲示するか、インターネット上に公開し続けなければなりません(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則38条各号)。

 

・違法行為のあっせんの禁止

宿泊者の違法行為がうまくいくよう取り図ったり、便宜を図ったりすることは禁止されています(住宅宿泊事業法58条各号)。

違法行為の例としては、麻薬や銃器、盗品の取引や賭博行為が挙げられます。

また、「違法行為の便宜を図ります」といった内容の広告を出すことも禁止されています。

住宅宿泊管理業者の場合と同じく、名義貸しを行った場合は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課されます。(住宅宿泊事業法723号)

また、不当な勧誘などを行った場合(同76条7号)、標識を掲げなった場合(同2号)、約款を公示しなかった場合(同9号)、料金を公示しなかった場合(同10号)、公示した料金を超える料金をとった場合(同11号)には30万円以下の罰金が課されます。

まとめ

民泊という営業形態が初めて全国的に認められるということで、2018年以降はこれに関する新しい事業が次々と生まれていくものと予測されます。

また、法律の施行に合わせて、それぞれの条例で強い規制をかける自治体も出て来ています。

自分の会社でも民泊関連の事業を始めたいと考えている経営者の方もいるかもしれませんが、その際は法令や条例の規制に引っかからないよう、必ず弁護士に相談するようにしましょう。

 

また、民泊は始まったばかりの制度ということもありますので、債権回収等について問題が生じた場合も自分だけで解決しようはとせず、弁護士の力を借りるようにしてください。

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